先日、『鶴見川でサイトチニング』と題した実釣動画をアップロードしました。
やはり、セッティングの詳細については、動画媒体で説明しきるのには無理があるので、こちらに文章でまとめていきたいと思います。
基本的には
以前四連載でまとめた『東京湾のサイトチニングにおいて、ツツ抜けを目指すにあたって』という記事で紹介したセッティングに近しいものがあります。
しかし、「母数がいるシチュエーションで極力多くの尾数をキャッチする釣り」と、「ハイプレッシャーポイントで一匹を絞り出す釣り」では、同じサイトチニングでも方向性がかなり違います。
上の記事はどちらかといえば前者のスタイルですが、今回まとめるのは後者のスタイルです。具体的に、前者のスタイルに対してどこがどう違うのか、といった書き方で、今回のセッティングをまとめてみたいと思います。
ロッド
ロッドについては、ダイワさんの『小継 せとうち』という防波堤万能竿をベースに自作した、
5フィート8インチのULクラスのロッドを使っています。本格磯竿の短い版みたいなロッドですね。

以前紹介した4フィート11インチの自作ロッドよりも結構長いです(とはいえ一般的にはショートロッドであることには変わりないのですが…)。これは、近距離戦の中にも飛距離を求めたためです。激戦区だと、「あと数十センチ近づきたいけど、これ以上近づくと警戒モードに入りそうだな…」といったようなシチュエーションがよくあります。そういった絶妙な「あと一歩」を埋めるためのレングス設定になりました。
『小継 せとうち』のバット側を大胆に切り落とし、前側の必要な分だけを使用しています。
また、ティップには渓流用のグラスソリッド素材を使用し、ソリッドティップの極細・極柔仕様にしてあります。



バス用のULロッドでも、激戦区で繊細なライトリグの釣りをするにはティップが硬すぎる場合が多々あり、自作するに至りました。
クロダイ(≠キチヌ)に完全に的を絞ったチニングの中でも、とりわけ激戦区においてはライン捌きは命ともいえる重要な要素であり、ラインテンションを思い通りに細かく操作する上で、柔らかいティップは必須だと私は考えています。
前回の数釣りの記事では「フッキングパワーを優先して、太い先径を好んでいる」と書きましたが、ここでは対極です。ラインテンションの操作性と細やかさをとにかく求めて、まず「見切られずにバイトに辿り着く」事を第一に考えなければなりません。
硬いティップではフッキング性能は良いものの、ライン捌きについては大味になってしまう傾向があります。軽量リグを弾きがちになってしまい、急発進を起こしがちです。とはいえ大抵のポイントでは別に大したことないのですが、東京湾流入河川の中でもトップクラスのハイプレッシャーポイントとなると、話は別です。言い換えれば、この竿はフッキング性能の部分をかなり捨てています。そのため、それ以外の部分でこうした欠点を補っています(後述します)。
スレたチヌとライン捌きの関連性に関しては、前編と後編の二本の記事でこちらにまとめています↓
一般的なセラミックリング付きのガイドをこのようなティップに配置すると、ビヨンビヨンとキャスト時の振れの収束が遅くなり過ぎてしまうので、ティップにはBBMKガイドを採用しています。

ヘチ、イカダ、ワカサギなど…と書かれているように、本来はそういった用途に使われるガイドです。
ガイドセッティングについては、この記事をご覧いただいている方々がお求めの内容ではないと思うので、この程度で割愛します。ベリー~バットにかけては割と普通のKRコンセプトセッティングです。
ロッドビルディングをされない方へ:
ダイワさんの『アジメバルX 510UL-S』なんかは近しい使用感かと思います。
リール
リールはシマノさんの『22 BB-X リンカイスペシャル 1700DXXG』を使用しています。

非常に小型の番手のレバーブレーキリールです。私は基本的にダイワ派ですが、小型番手のレバーブレーキリールに関しては、性能面でもラインナップの豊富さでもシマノの圧勝だと感じており、今回はこのリールを使っています。
シマノさんからは、『ハイパーフォースLB』といったルアー用のレバーブレーキリールも発売されていますが、全体的にギア比が遅く、巻き取り長が短いです。ここでは『フッキング後の追いアワセの力強さ』を重視しており、XXGという超高速ギア比のリンカイを選んでいます。追いアワセでどれだけ力を鋭く伝達出来るかは、キャッチ率に深く影響を及ぼすと私は考えています。ブラインドのチニングがメインの方も、同じ考えの方が多いのではないでしょうか?ローギア寄りだと、アワセの近辺での力の入力がマイルドになり、フックの刺さりが甘くなってバラしがちです。チニングでは特に深く考えるべき要素だと私は思っています。
なぜレバーブレーキなのか
ロッドのパートでお話ししたように、フッキング能力をかなり捨ててしまっている竿を使っているので、XXGのチョイスもそうなのですが、色々な部分でこの欠点を補う必要があります。
レバ-ブレーキを使うというと「細糸を護る」といったイメージの方が多いかも知れませんが、個人的には、厳密に表現すると「強いドラグ値でフッキング能力を保ったまま、細いラインを使うことが出来る」といったものになります。通常のスピニングリールで強いドラグ値のまま細いラインを使えば、至極当然ですが切られてしまいます。そのため私は普段はクイックドラグ機構を搭載したダイワリールを使用し、「フッキング時は強いドラグ値でアワせ、フックがフトコロまでしっかり貫通した感触があり次第、すぐにドラグ値を下げる」という手法を取っています。ダイワ最新の『ATD Type-L』は素晴らしい追従性能があり、一般的なサイトチニングではこれで十分です。しかし、レバーブレーキの操作のレスポンスは究極であり、クイックドラグの比ではありません。突き詰めるとレバーブレーキになるかと思います。ガツンとアワセて、チヌが下に突っ込み次第パパパッと即座にラインを放出出来ます。ひたすら走る青物等と違い、チヌのダッシュはどちらかというと「ゆるゆる走る、鋭く突っ込む」の繰り返しであり、対応はかなり容易です。また、磯竿ベースのロッドはタメが効き、鋭く突っ込んだ際にかなり攻めた操作(突っ込み始めているのにラインをギリギリまで出さない、等)といった操作とも相性が良いです。ルアーロッドのようなベリー~バットが硬めのロッドでは、ここの追従力が無いので切られるリスクがかなり高まります。
ベイトリールはダメなのか?
現在のチニングシーンに広く浸透しているベイトリールですが、ドラグ性能は圧倒的にスピニングリールの方が優れています。今回の動画で捕れた個体は上顎の薄膜に掛かっており、これをベイトのドラグ性能でキャッチ出来たかというと正直微妙な気がします。
やはり、「効率の良い釣りで手返し良く釣る」のではなく、「値千金の一匹を確実に獲る」能力では、スピニングの方が優れています。

上顎の膜と身切れの関係については、こちらの動画で触れています↓(34:55~ぐらい)。
ワーム
ワームは、ハリーシュリンプ3インチを使用しています。
私は埼玉在住で、中古バスワームが手に入りやすい環境にあります。メジャーどころのバスワームはしらみつぶしに試したと言っても過言ではなく、ハリーシュリンプはその経験を踏まえた上でもなお、サイトチニングにおいて圧倒的な釣獲力があります。ドライブクロー2インチも私はサイトチニングで多用しますが、これらは私の中での最高峰のツートップであり、今後も揺らがない気がします。
カラーについて:
サイトにおいては、私はカラーローテーションをほぼせず、クロダイの反応がどうこうというより、こちらからの視認性に優れているものを専ら使用しています。操作の正確性を上げるためです。
遠投スタイルにおいては、裂けやすく保ちが悪い柔らかいマテリアルは敬遠されがちです。ダイワさんのシルバーウルフシリーズのワームなんかを触ると解るのですが、めちゃくちゃ硬いです。これは、遠投スタイルの中で、「タイムロスの排除の追求」を突き詰めた美学を感じる事が出来ます。しかし、硬いという事は微弱なロッドアクションへのレスポンスが悪いという事です。チニング専用設計のワームを使ったからと言って、チヌから良い反応が得られる訳ではありません。むしろ、柔らかいマテリアルのバスワームの方が、サイトチニングのような至近距離でのスタイルでは圧倒的に優れています。リグを引いて来れる距離が限定的ですし、激戦区であれば「小さなロッドの入力で大きくワームが動く」事を求められます。ラインが大きく水を裂けば一目散に逃げてしまうので、やはり柔らかいマテリアルに分があります。





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