その②はこちら
本ページの概要です↓
【その③】
・リール
そもそも、ベイトとスピニングの違いについて…
ベイトは立ち上がりが速い
少し脱線:ベイトリールが必ずダブルハンドルである理由
セルテートである理由
60mmハンドルを付けている理由
・ロッド
既製品のロッドでは満足いくものがありませんでした
掛ける瞬間を境に、前の段階を重視するのか、後の段階を重視するのか
レングス
硬さ
テーパー
ガイドセッティング
LDBガイド
カーボン含有率
リールについてです。

私はこの釣りで、24セルテートのFC2500S-XHを使用しました。
そもそも、ベイトとスピニングの違いについて…
私は、特にスピニング派でもベイト派でもなく、適材適所で使い分けているつもりです。
タンクヘッド2.5g+ドライブクロー2インチ(約2g)=4.5g程度であれば、ダイワのベイトリールであればCTリールがドンピシャで適任かと思います。しかし私は、この釣行ではスピニングリールしか使っていません。
色々な部分が大きく違いますが、この釣りにスピニングを使う上で考えたのは、回転体の重さです。
純正CTスプールであれば8gと、非常に軽いです(複雑になり過ぎてしまうのでギアの重さを抜きにして考えます)。
一方、スピニングリールのローター・ベールユニットはどうでしょうか?

最近のダイワのエアドライブローターであれば、2500番のザイオン製のもので26gです。
この時点で3倍超の重さがあります。
ベイトは立ち上がりが速い
あくまでも概念図ですが、ベイトとスピニングで、ハンドルを回し始めてからストップするまでの巻き取り長をグラフに表すと、こんな感じだと思います。

ベイトは回転体が軽い上に、ハンドル軸とスプール軸の向きが平行なので、エネルギーの変換効率も良いです。そのため初動が軽く、一気に「バビューン」と回転が加速します。ベイト特有のダイレクト感ってありますよね。


しかしスピニングリールは回転体が比べ物にならないくらい重く、また、ハンドル軸とローターの回転軸が直角に交わっています。そのため、エネルギーが90度違う方向に変換される過程で、更にエネルギー伝達のロスが生じます。その結果、仮にベイトと同じ力加減でハンドルノブを押しても、ゆっくり「ニュ~ン」と加速します。
サイトチニングにおいて、使いやすいのは…
別に、ベイトリールでも全然出来ます。しかし、個人的に使いやすいのはスピニングリールだと感じています。何度も同じ事を言っていますが、この釣りにおいてはラインスラックを出しまくる釣り方をします。そして、ハンドルを巻き続けるというよりは、停止と再加速を細かく繰り返すような操作をします。その上でベイトを使うと、ラインスラックはより張り気味の方向に、リグはより動き過ぎる方向に寄って行ってしまいます。これが一番良くありません。もちろん操作者のアジャストで如何様にもなる範疇ですが、向いているのはスピニングだと思います。加速が鈍重なのが逆に良いんです。そこを最重要視してスピニングを選んだ結果、ベイトリールより優れたドラグ性能によって細いラインが使えたり、軽量ルアーがブレーキ無しで伸びていく等、数点の副産物を得られる感覚です。
少し脱線:ベイトリールが必ずダブルハンドルである理由

スピニングリールを分解し、ローターが無い状態↓でハンドルを回してみると、非常にベイトに近いダイレクト感を感じます。回転体が無いので、加速が鋭くなります。

ローターが無い状態でスピニングのシングルハンドルをいじくると解るのですが、ハンドルの落下を重力に預けると、ローターがあれば「ニュ~ン」と落ちて行ったところが、無いと「ストン」と落ちます。これでは、リールから目線を外している時に、意に反して十数センチほど巻いてしまう現象が起きまくるので、非常に使いにくいはずです。ベイトリールはこの現象をダブルハンドルにして防いでいる一方、スピニングリールは加速が緩やかです。ハンドルが意に反して重力で動いてしまったとしても、ゆっくりと加速していくので、悪影響はたかが知れています。
セルテートである理由
ぶっちゃけ、この釣りをただやるだけなら23レガリスでも良いと思います。しかし、クロダイにターゲットを完全に絞った釣りで、時たまドラグフルロックでストラクチャーから引きはがしたりする場合、ツツ抜けレベルの負荷を掛けるとカーボン樹脂ボディのリールは一日で死にます。これはザイオンモノコックボディを搭載しているルビアスでも同様です。
私は20ルビアスのコストパフォーマンスが大好きで愛用していましたが、3台ダメにしました(笑)
マグネシウムボディ機種(エアリティやイグジスト、ヴァンキッシュですね)はどうかというと、強度は十分であり、軽さと強さの両立で非常に優れた性能を発揮してくれると思います。これでも全然良いのですが、私はセルテートを使っています。
私はリールの分解が大好きで、メンテナンスも自分でやる派です。

20ルビアスのFC2500とノーマルの2500を二台同時に分解して、共通の寸法の部分と異なる寸法の部分を見ている様子です。
セルテートのアルミボディは成型精度がマグネシウムより優れている(ダイワのアナウンスです)うえに、マグネシウム合金より耐食性がかなり優れています。
また、セルテートは左右共に丸形の大きいエンジンプレートでフタをしており、メンテナンス性が非常に良いです。


エアリティなんかは、左側はダイワらしい大きな丸いエンジンプレートですが、右側はこんな感じの小さいフタと、それに付随するいくつかのパーツでボディに蓋をしています。


確かにマグネシウム機種は軽いですが、私はセルテートのFC2500を「重い」とは思っておらず、むしろ「アルミなのにこんなに軽いのか」と捉えているので、セルテートを使っています。
60㎜ハンドルを付けている理由
私は60mmハンドルを使っています。SLPの公式アナウンスでは、2500番台のリールに60mmの長いハンドルを付けると、BBやギアに負荷がかかり過ぎるから辞めてください、とあります。

しかし私は自己責任で使っています。はっきり言ってセルテートの剛性があれば余裕です。この表では機種の指定がないので、下位・中位機種では確かに厳しいとは思いますけどね。
60mmハンドルを付けている理由なのですが、「巻き取りパワーが強いから」といったようなものではなく、ハンドル操作のスタイルによるものです。
アプローチ時に、ハンドルを何周もグルグルと回す事はあまり無く、どちらかといえば「押す」という感覚です。車のアクセルやブレーキのペダルのようなイメージです。小刻みに押したり止めたりするような操作がアプローチの一番大事な時に発生しますので、そこで細やかな調整が効くように60mmにしています。

先程も述べたように、私の場合、とにかくリグの動かしすぎが嫌なので、同じハンドルノブの押し幅であっても、より少ない角度で動くロングハンドルを使っています。巻き取り長はハンドルを回した角度(≒回転数)で決まりますので、長い方が細やかに巻き取り量を調整出来ると私は考えています。
そんな感じです
他にリールの事について考えると、あとは、スプールのシャフト受け部にベアリングを追加してドラグ性能を向上させている事ぐらいでしょうか?
次は最後の項目、ロッドについてです。
既製品のロッドでは満足いくものがありませんでした
以前動画で「既製品であれば、スコーピオンXVの2451R-2がオススメ」と話しました。しかしそれは既製品の範疇での話であり、もっと高い理想の話をすると、既製品で満足いくものが在りませんでした。そのため、自身でこの釣りに特化させたロッドを作り、当日はこれを使いました。タトゥーラXTの682MLFSをバット側から大胆に切断し、前方2/3程を使ったような形です。ダイワの番手表記に倣うと、『411ML/LRS』(4フィート11インチ、ML/Lの硬さ、レギュラーテーパーのスピニング)ですね。


掛ける瞬間を境に、前の段階を重視するのか、後の段階を重視するのか

一般的にチニングロッドとして売り出されている既製品は、ファストテーパーのロッドが殆どかと思います。ブラインドのチニングでは、根掛かり回避性能は至上命題であり、リグをそれなりに弾ける能力がないとお話になりません。
しかし、一度針が貫通してしまえば、今度はレギュラーテーパーで胴まで入る竿の方がバラシが少ないです。
そのため、掛ける瞬間を境に、それより前に重きを置くのか、後に重きを置くのかで、ロッドの方向性が全く変わってきます。
私は前者の要素をほとんど捨てて、後者に配分を寄せています。サイトであれば、リグを引きずる距離はブラインドで遠投するチニングより遥かに短く、根掛かる確率もたかがしれています。危険なストラクチャーもある程度上から視認出来ます。派手なロッドアクションもほぼほぼ入れませんので、掛けるより前の段階に求められる性能をかなり捨てる事が出来ます。
レングス
レングスは4フィート11インチであり、スコーピオンXVの4フィート6インチにインスパイアされたレングスです。異様に短いですが、やはり短いほど近距離キャストのアキュラシーは向上しますし、ロッドのスイングで逃げるチヌも減ります。ロングキャストは全く出来ませんが、完全にこの釣りに特化させて割り切っています。
硬さ
素材のタトゥーラXTはMLでしたが、バット側を大きく失っている分、ML/L(ティップはMLでバットはL)のようなテイストになっています。元々リベリオンの662ML/LFSというスラッシュ番手のロッドを持っており、この使用感に感銘を受けて、似たようなテイストになるようにしてみました。リグの総重量を考えるとやや硬すぎる感じがありますが、フッキング性能を考えるとこのくらいがちょうど良かったりします。ULのスピニングロッドなんかを使うと解るのですが、パワー不足だとフッキング性能に乏し過ぎて、数秒のファイトでバレてしまう事が頻発します。
投げやすさやリグの操作性は完全に捨て去っているので、使いやすいかと言われるとそうではありません。キャストは棒投げのような手応えで、反発やしなりを使う感じではありません。
テーパー
バット側を切り落としているので、ファストテーパーからレギュラーファストテーパーに変わっています。理想のテーパーであり、かなりスコーピオンXVに似ています。ワールドシャウラ系統やスコーピオン系統のロッドは「ティップが無い」と表現されるように、ティップが硬くて手前まで素直に曲がるレギュラーテーパーです。

かなり雑な概念図ですが、一応イメージとしてはこんな感じです。特に右のテーパーは非常にサイトチニングに向いていると思っています。硬いティップによるフッキング性能がありながらも、ファイトが始まると一気にベンドして胴まで曲がり、暴れるチヌの抑揚を受け止めます。フッキングの感覚を擬音で表すと「ガツーン‼」といった感じで、真チヌ相手でもしっかり刺さります。
超近距離戦でファストテーパーのバスロッドやチニングロッドを使うと解るのですが、テーパーの違いの面でもかなりバレます。特に昨今多いハードソリッドティップのバスロッドなんかは解り易いのですが、フッキングの感覚を擬音で表すと「ニュ~ン、ググググ」といった感じで、ティップに硬さが少し足りない上にバットパワーが過剰なので、バラシをかなり頻発してしまいます。
ガイドセッティング
ガイドは
LG-5
LDB-5 (×3)
KL-5.5M
KL-10H
KL20H
の7点セッティングです。全てステンフレームのSiCです。
そもそも、スピニングロッドのガイドセッティングは大きく分けて3種類あると私は考えています。

①投げ竿系
手前はかなり大きなバットガイドが付いていて、先端に向かっての絞り込み(チョーク)が緩やかです。先端に行ってもガイド径はそれなりに大きく、全体的にガイド点数はやや少なめです。投げ竿をはじめ、ルアーロッドだとサーフキャスティングロッドやオフショアの大型青物のロッドなんかはこれですね。特徴としては飛距離が出る事と、太いラインを快適に扱えることなんかがありますね。横風には弱く、タイトな細かい操作はちょっと苦手です。
②オーソドックス系
手前はそれなりの大きさのバットガイドが付いていて、先端に向かっての絞り込みはややきつめで、ベリー周辺で絞り込みが完了します。ティップに向かって同径のガイドが数点付いており、全体的なガイド数は至って普通です。バスでもソルトでも、ルアーロッドにおいてかなりオーソドックスなセッティングです。
③磯竿系
手前からいきなり小さいガイドが付いており、先端まで小さい径のガイドが密に配置されているタイプですね。ガイド点数も多いです。磯竿をはじめ、●ナック社等、「ストローガイドセッティング」「小口径多点セッティング」といったコピーでルアーロッドに採用しているものもありますね。
この3点が、上のような順序でグラデーションのように繋がっています。アウトガイドのエギングロッドなんかは②と③の間ですね。
そして私が作ったロッドはどこを目指したかというと、②のど真ん中、超オーソドックスです。しかし、ティップ付近のLDBガイドだけは普通ではないので、これについて深堀りします。
LDBガイド
スピニングタックルは、多かれ少なかれ糸撚れが必ず発生します。それに伴い、ティップ周辺でライン絡みが起きたりします。特に数釣りでは、ファイトによる糸撚れの蓄積は凄まじいです。

まだKガイドが登場していない頃…DBガイドシリーズというものが在りました。これはPEラインが登場して間もない頃、まだPEライン特有の絡みの発生のしやすさに不慣れなユーザーシーンに合わせて登場した、極めて糸絡みの少ないガイドです(当時はまだ僕生まれてないのでよくわかりませんが…笑)。
ガイドの傾斜が45度と強めで、絡み解除の機能がとても強いです。その中でも径の小さいものに、L(ライト)DBガイドといったものがあり、ティップ周辺によく使われました(特にエギングロッドには積極的に採用されていました)。

しかし、45度に強く傾いているという事は、ガイドの断面が潰れて楕円になっているという事です。飛距離が出ないというデメリットがあります。その後、『Kガイドコンセプト』という70度のリング傾斜のガイドが登場し、断面が潰れ過ぎていないので飛距離が出るし、トラブルレス性も損なっていない最新ガイドとして、今日に至るまでルアーロッドの主流になっています。
今日ではLDBガイドは細々と生き残っており、真下に落とす船竿や、PEフロッグ用のロッドなんかを例に、デメリットがさほど露呈しない状況で使われています。
サイトチニングにおいても、さほどぶっ飛ばすわけではないため、LDBガイドは数釣りに非常にマッチします。見えチヌから少しでも目線を外して、絡みの対処なんかをしてしまうと、「あれ?さっきまでそこにいたのにどこ行った?」といった事が良く起きます。LDBガイドであれば自動で絡みを解除してくれるため、集中してチヌを見続ける事が出来ます。
カーボン含有率
タトゥーラXTという低価格帯のロッドを使用していることからわかるように、パキパキの高感度ロッドを使っている訳ではありません。この釣りにおいては手感度は不要で、肉眼でチヌの捕食動作を見てフッキングのタイミングを決めています。
私が現場で欲しいのは、カタログスペックは凄いけども実用面で脚が折れやすいサラブレッドのようなロッドではなく、スペックはやや低くても実用的で頑丈な水牛のようなロッドです。数釣りにおいて途中でロッドが折れてしまっては後悔しか残らないので、カーボン含有率99%超のパキパキのロッドではなく、80%台のタトゥーラXTを敢えて選んでいます。
…といった書き方をすると、タトゥーラが鈍重みたいな雰囲気になってしまいますが、価格を考えると十分シャッキリしていてひたすらに驚異的です。やばすぎます。
ということで、ようやくタックルセッティングにおける全ての項目の説明が終わりました。最後の章で、スケジュールの組み方やポイントの周り方等の細かい部分を説明して終わりたいと思います。






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