目次です(リンクになっています)。
【その①】(このページ)
・ワーム
イメージを組み立てる上で
サイズについて
サイトだからこそ捨てられる要素
少し脱線:吸い込みバイトと噛みつきバイトについて
ワームのカラーについて
・ジグヘッド
ジグヘッドについて
フットボールヘッドの良い所
オカッパリヘッドと他社類似製品との違い
2.5gという重さについて
【その②】
・ライン
リーダーのチョイス
少し脱線:フロロカーボン以外の素材について
PEラインのチョイス
強度計算
ドラグ値の計算
リーダーとアイの結束部分の強度
ライン比重の使い分け
【その③】
・リール
そもそも、ベイトとスピニングの違いについて…
ベイトは立ち上がりが速い
少し脱線:ベイトリールが必ずダブルハンドルである理由
セルテートである理由
60mmハンドルを付けている理由
・ロッド
既製品のロッドでは満足いくものがありませんでした
掛ける瞬間を境に、前の段階を重視するのか、後の段階を重視するのか
レングス
硬さ
テーパー
ガイドセッティング
LDBガイド
カーボン含有率
【その④】
その他ツール
ランディングツール
偏光レンズ
プランニング
当日のスケジュールの組み方について
上流でやるか、下流でやるか
スッポ抜けのリカバー
おわり
その①~④までの四部構成で書いていきます。
2024年7月、関東のポイントにおいて、サイトチニングで25匹のチヌを釣る事が出来ました。

そして翌年夏、30匹を釣る事を目標として改善に取り組みましたが、結果としては26匹に留まってしまいました。




とはいえ、それなりに頑張って自身の釣りの改善に取り組んだ事は確かなので、今回の記事では、この日の釣行の様子と、その日に向けた準備の詳細について、書き残してみることにしました。
アイテムのチョイス
私は、サイトチニングにおいて(数を意識する場合では特に)、ジグヘッドリグのスタイルを多用します。理由については後で詳しく触れますが、ジグヘッドを用いた釣りを考えた場合、タックルセッティングにおけるアイテムは
・ワーム
・ジグヘッド
・ライン
・ロッド
・リール
の5項目に大きく分けられるのかなと思います。これらを一個ずつ深堀りしていきたいと思います。
イメージを組み立てる上で
まず最初に何を決めるのかというと…使用するワームの銘柄です。

この釣行では、一日を通してドライブクローの2インチしか使っていません。見えチヌの場合、一個体一個体と毎投向き合っていくスタイルなので、現実問題、「このワームで見切られてしまったから、ルアーチェンジしてもう一回投げ込んでみよう」といったセカンドチャンスを貰えない事がほとんどです。要するに一発勝負なので、潔くローテーションの概念を捨て去って釣りのイメージを組み立てています。色々なバスワームをサイトチニングで試した経験上、最上級クラスの釣獲力を持っているドライブクローを採用しました。
サイズについて
ドライブクローはサイズ展開が豊富で、最小の2インチから始まり、3インチ、4インチ、5インチまであります。今回はその中でも最も小さい2インチを使用しています。釣獲力という意味では3インチも素晴らしい能力を持っており、ブラインドの釣りでは3インチを使います。しかし、この釣りにおいては2インチ以外使いません。
サイトだからこそ捨てられる要素
サイトの場合、結果的に喰いつくか逃げてしまうかはさておき、リグをしっかり接近させて必ず魚に認識させる事が出来ます。そのため、気付いて貰うチカラ、被発見能力の部分を完全に捨て去ることが出来ます。2インチと3インチでは、個体から少し離れた所(水の濁度にもよりますが、具体的には1.5m以上のイメージですかね?)になると、気付いて貰える確率がかなり違います。勿論大きいほど気付いて貰える確率が高く、小さいほど気付いて貰えない可能性が高いです(シンカーのボリュームにおいても全く同じですが、とりあえずここではワームの事だけを考えてみます)。あくまでも私の感想ですが、リグを近付けた際、目ざとい認識能力で早期に逃げ出してしまう個体もいる一方、気付かないヤツは本当に気付きません。
その上で、サイズを小さくして得られるメリットは、口の中への収まりの良さです。このメリットを取るために、サイズを小さくしています。3インチになった途端に、口の中へ一撃で収まらない確率が増します。ドライブクローであれば、ハサミ脚だけ咥えている状況だったり、半分咥えてはいるもののフックは口の外にある状態ですね。2インチであれば、大抵一撃でスポッと収まり、フッキングの成功率が上がります。もちろん、シンカーが重くなるほどチヌがリグを拾い上げる際に失敗する確率が増すので、そこも重要なのですが、ウェイトについてはジグヘッドの項目で後ほど解説します。
少し脱線:吸い込みバイトと噛みつきバイトについて
私は、少なくともクロダイの摂餌においては、どんな状況でも吸い込みの過程は必ず存在すると考えています。付着藻類を食べているときなんかはこそげ取りバイトともいうべき状態かもしれませんが、吸い込みバイトと噛みつきバイトという二者択一の分類方法が、そもそも状況説明をする上で無理があると考えています。
魚の喉奥には口弁(こうべん)という器官があります。

手描きのクエです笑
水族館なんかで大きい魚を見ているとよくわかるのですが、喉の奥で、呼吸のリズムに合わせて上下している白い膜のような構造物を見たことはありませんか?(ベロじゃないよ。)
読んで字の如く弁であり、これを開閉して、エラに新鮮な水を送ったり、目の前の獲物を一気に吸い込んだりします。そして、この器官の発達度合は魚によって異なります。シーバスやハタのような、口が大きく開いて前方に突出する『吸い込み&丸呑み系』の肉食魚は、吸い込み時に強力な負圧を作り出すことが出来ます。チヌの負圧はどうかというと、いたって普通くらいという印象です。
対して、噛みつきのパワーに関与するのは咬合の筋力であり、チヌはかなりのパワーを持っている事については有名かと思います。結局のところ、それぞれ完全に独立した器官と動作です。甲長7mmほどの小さい幼ガニであればフッと吸い込んで終わりでしょうし、食べ応えのある大きなモクズガニのような獲物であれば、バリっと噛み砕いて、周囲にフワ~ンと散った破片や、自切した脚なんかを即座に吸い込んで回収するでしょう。付着藻類をこそげ取るのであれば、3~4噛みくらいして、剥がれた藻類が溜まったら飲み込む、の繰り返し…といったように、完全に独立した別々の動作だと思います。
また、詳しくは記事の終盤の「スッポ抜けのリカバー」の部分で説明するのですが、チヌは強力な咬合筋を持っていながら、常にリグをフルパワーで噛む訳ではありません。腑抜けた口の閉め方でバイトを終える事も多々あります。バイトの前から、チヌはチヌなりに獲物の食べ応えを予測して、適切な噛みつきパワーで噛みついてくるイメージがあります。その際、幾度も『侮りバイト』『手抜きバイト』みたいなものを目にします(笑)
そしてそれは、チヌが猛烈なチェイスをして来たにも関わらず噛む力加減がショボかったりと、決して捕食の本気度合いと比例するものではない印象が強いです。
ワームのカラーについて
ワームに話を戻すと、カラーについても、前述の理由でローテーションを完全に捨て去っており、経験上、あらゆる状況で比較的反応の良いカラーである『グリパンレッド/ナチュラルオレンジ』のみを使っています。コミュニティにおける「こういう状況ではこの色が良い」といったような言説を私はあまり信用していないので、あくまでも因果関係的な説明ではなく、「複数の釣行の経験を総合的に振り返って、これが一番反応が良い」といったカラーを専ら使い倒すスタイルを取っています。
カラーについての私の解釈を綴った記事はこちら↓
ワームを一本に絞ったので、次はジグヘッドを決めます。
ジグヘッドについて
私はデコイさんの『タンクヘッド』というフットボールヘッドをメインに使用しています。

番手は『#4-2.5g』がメインで、強風時に備えて3.5gと5gをごく少量持っていく感じです。そして、タンクヘッドの剥き出しの針先では厳しすぎる下流域、カキ殻が大量に付着している場所で、サブとして、オーナーさんの『オカッパリヘッド』を使用しています。番手は『#1 1/16oz(約1.8g)』のみです。

フットボールヘッドの良い所
至ってシンプルで、針先が必ず上を向く点です。フリーリグやテキサスリグは何らかの工夫をしない限り、針先の向きは不規則でランダムです。基本的には、チヌに誘いを掛けている途中で重度のスタックが発生し、それを外す作業をチヌの目前でしなければいけなくなると、逃げられる可能性が爆増します。一方、すり抜け能力の高いオフセットフックを使用すると、数釣りにおいてはスッポ抜けの取りこぼしが目立ち始めます。
ガード付きのフックは、シャンクを軸として考えた場合、重い物が軸より上に寄り過ぎているので、針先が下向きで安定し、結局、針先を鋭く維持しているほどボトムのちょっとした引っかかりを拾ってしまいます。

こうした諸問題を一撃で解決できるのがフットボールヘッドです。とはいえ、カキまみれの所だけは流石に厳しいので、そこでのみオフセット系ジグヘッドであるオカッパリヘッドを使用しています。
また、細かい話なのですが、フリーリグやテキサス、ジカリグ等のリグルドセッティングだと、アップクロスに投げた際、流れが効いている時に、シンカーは動かないながらもワームが180度ターンしてしまいます。

チヌが既に追って来ていた場合、この動きをチヌは目前で凝視する事になるのですが、経験上、このターンに対して良い印象が全くありません。蛇に睨まれた蛙の如く、ビタッっと止まっていた方が明らかに喰います。ジグヘッドはオモリと針が一体化しているので、こうしたことが起こりません。
オカッパリヘッドと他社類似製品との違い
デコイさんの類似製品に『ネイルボム』があります。

こちらの方が店頭での取り扱いも多く、ラインナップも豊富です。しかし、最大の違いはアイの設計にあります。オカッパリヘッドは、斜め上、45度程の角度で、かまぼこ型のアイが付いています。

本来は、バスフィッシングにおけるウィードレス性能を追求したものだそうですが、これによってカキ殻地帯をスルスルと抜けてきます。
基本的にこの釣りにおいては、ラインスラックを出しまくった状態で操作します。しかし、仮にスタックが発生した場合、無事に外れるまでの過程で、多かれ少なかれラインテンションが張る方向に移行していきます。その際、ごくわずかに張っただけで「シュルッ」と抜けて来るのか、そこそこに張って「グググッ…スポッ!」と抜けてくるのかで、そのアプローチの成功率は雲泥の差です。解りきったことかもしれませんが、後者の場合、よほど活性が高くないと逃げます。スタックを如何に軽度にとどめるかについては、サイトチニングのみならず、クロダイをメインに据えたあらゆるチニングスタイルにおいて私が最重要視することであり、操作の根底には必ずこの考え方があります。
2.5gという重さについて
シンカーについては極論、0g(ノーシンカー)が最もシビアなチヌまで釣る能力があると考えています。さきほど述べた通り、大抵スタックが軽度で済むからです。

↑高比重ノーシンカー(スーパースティック4インチ ヘビーソルト)で釣ったチヌ
シンカーが出すコンタクト音や引き抵抗なんかを考えた回もあります↓
しかしより成功率を握っているのは、そういった要素よりも、シンカーの重さに付随して変わるラインテンションです。シンカーが重いほどラインは張り気味になり、軽いほどたるみ気味になりますよね。その考え方で行くと、ノーシンカーが一番ダルンダルンでスラックまみれのライン捌きを実現出来ます。
しかし、横風が少しでもある場合はラインが横方向に弧を描いてしまい、狙ったトレースコースを通すのは非常に難しいです。軽すぎると飛距離も顕著に低下し、アキュラシーを出す難易度が上がります。また、底取りが遅いので手返しが悪化し、数釣りにおいては特に大きなデメリットになります。フォールが遅過ぎると、
①チヌの少し遠くに投げる(ダイレクトにチヌ目掛けて投げると即逃げしますので…)
②リグをチヌに寄せる
③食わせる
の流れの中で、ルアーを放った瞬間とチヌがルアーに気付く瞬間までのタイムラグが大きくなり過ぎ、その間にチヌの位置や姿勢が変わっていることが良くあります。
逆にシンカーが重すぎると、ダルンダルンにスラックを出す釣りがそもそも出来ません。
実際に現場で使ってみて非常に現実的な値としては、1.2g~3.5gあたりに落ち着くんじゃないかなと思います。その中で2.5gという数字は非常に高バランスで、良い塩梅です。これをメインに据えた上で、ガチャガチャした場所でよりスタックが軽く済みやすい1.8gをサブに添えるイメージで、このウェイトを選んでいます。
ジグヘッドが決まったので、次はラインについて考えてみます。が、長くなり過ぎたので、その②に移行します。






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