色々、考え方があるとは思います
まずは、『プラセボ効果』についてなんですが…。
プラセボ効果(偽薬効果)とは、偽薬を本物の薬と信じて服用することで、思い込みや安心感、治療への期待から、実際に症状が改善したり、副作用が出たりする現象。
脳内の神経伝達物質の分泌によって誘発されると考えられており、特に痛み、不安、緊張といった主観的な症状に高い効果が発現しやすい。
(Gemini様の要約より)
これはルアーカラーについて考えていく上で必ず必要な概念だと、私は考えています。
実際に、偽薬ではなくルアーで考えると、
『釣れるカラー』を信じて投げ続けることで、思い込みや安心感、釣果への期待から、実際に釣果が改善したりする現象
と言えますね。
特に、カラーを重視した知見経験を積み重ねて、それらを重視されている方の場合、「ふざけてんのか」と思われるかもしれません、でも…ほんとにごめんなさい、最後まで聞いてください。
そもそも、バイトに至る前に
クロダイ・キチヌが、ルアーの存在に気付いてから実際に喰らいつくまでに、数秒~(下手したら)十数秒の時間があるはずです。
特にサイトをやっていると痛感するのですが、この時間の中だけでも、チヌの行動はいくつかのフェーズに分けられると感じます。
①発見
②接近
③凝視
④バイト
の四段階に分けられると思いますが、例えば高活性個体の場合、③の「凝視」の時間が非常に短い(というかほぼ無い)ので、①発見、②接近、④バイト…といった感じになります。
逆に低活性個体であったり、何らかの要素が上手くアジャスト出来ていないと、疑い深い寄り方、食べ方という感じになり、③の凝視の時間が長くなります。また、更に疑い深い場合であれば、①発見、②接近、③凝視、まで進んだのに、少し距離を取ったり、再度接近したりして、②と③を繰り返すことがあります(この場合でも稀に④バイトまで繋げられることもありますが、大抵は③凝視の後にどっかに行ってしまいますね)。
そして、ルアーのカラーのチョイスが、これらの①~④のどのフェーズに効くか、という前提を整理した上で話を進めないと、色々とこんがらがってしまいます。
また、この四つのフェーズの存在比は、釣りのスタイルによって大きく変化すると思います。
これらの過程を、如何に削ったり誤魔化したりして短縮するかが重要だと私は考えています。
私の場合、例えばサイトですと…
顔の近くまで極力バレずにリグを接近させて、そこから一気に速いテンポで動かして行くサイトチニングであれば、①発見から②接近までの時間をほぼゼロにして、③の凝視をさせないために動かし続けて、全力で濁しまくって④バイトに最短で辿り着いてもらう、といった感じです。
ウルトラライトテキサス等のライトリグでスローに誘うブラインドの釣りも私は好きなのですが、こういったスタイルであれば、どちらかといえば、「サイクルを早める」のではなく「①~④の移行を着実に進めて、離さない」といったスタンスですよね。
保護色と保護形について
ちょっと話が脱線します…昆虫なんかは非常にイメージしやすいですが、多くの生物は周囲の景色に擬態していますよね。
保護色とは、周囲のカラーリングに溶け込むような、バックとそっくりの色味のことです。保護形とは、周囲のテクスチャー感に溶け込むような、バックとそっくりな質感のことです。
緑のバッタと茶色のバッタを鳥に食べさせると…
梅谷献二先生の実験なのですが、緑っぽい青草を敷き詰めた小箱、あるいは褐色の枯草を敷き詰めた小箱に、緑色のショウリョウバッタと褐色のショウリョウバッタ(バッタ達は弱らせて半殺しにしている状況なので動けません)を置き、鳥(カケスとモズです)に差し出した際に、どちらを先に食べるかを何回も検証するといった実験があります。
完全に想像がつく結果ではあるのですが、緑色の青草を敷いてある小箱の場合は茶色いバッタが先に食べられ、茶色の枯草が敷いてある場合は緑色のバッタが先に食べられる割合の方が多かったとのことです。
人間だけでなく、やはり野生の動物も、背景とのギャップを頼りにターゲットを探していることがわかります。
半分個人の趣味なのに、これを百何十回も試してn数を確保したらしく、そのガッツに驚きます笑
チャートやドピンクの生き物って河口にいないよね
一瞬で敵に見つかっちゃうんだから、そりゃそうだろ。と言われそうですが…
でも、このカラーがここ一番で強い理由としては、(③凝視から④バイトに至るまでの過程は置いておいて…)①発見だけに着目した場合、群を抜いて秀でているからだと私は考えます。
以前の動画でも紹介したのですが、単純に視細胞の能力だけを見た場合、クロダイやキチヌは色覚の幅で人間より優れており、人間が解るレベルの色の差異は彼らも解っている(デイゲームに限った話です。ナイトでは視細胞の働き方が大きく変わるので話が変わってきます。詳しくは後述します)可能性が高いです。
一方で、人間がふと冷静になったときに感じる「こんな色のベイトいないだろ。違和感感じないのかな…」といった感覚は、視細胞ではなく、脳の前頭前野という部分が働いて生まれる考え方です。

我々は大脳があまりにも発達しているので、このような考え方を魚にも当てはめがちですが、魚の脳みそにおける大脳の発達度合いは、人間の足元にも及びません。
チャートのド派手なルアーが彼らの目に映ったとして、まず、我々と同じように「まっ黄色の派手なルアーが彼らの目に映っているか」だけでいえば、これはYESといった所でしょう。我々と共通の状態だと思います。
一方、そのあとで発生する「冷静に考えたらこんな色の生物いないだろ…」という感覚は、脳が発達しすぎた人間が気付く事であり、魚がこうした思考を出来るかというと、NOだと思います。
ナチュラルカラーは③、④に効くよね
とはいえ、ド派手不自然カラーが、①の発見率の強さを活かしてそのままバイトに持ち込める場合もあれば、③、④で踏みとどまってしまう要因になることも多々。少なくとも、私のサイトの経験を含めると、「この色おかしいだろ!」とまではいかなくても「え…?」程度の違和感は彼らなりに感じているのではないか、と強く思わされる挙動をよく目にします。
逆に言えば、発見さえしてもらえれば、グリパンやウォーターメロン等に代表される、いわゆる「ナチュラル系」は、③から④への移行が非常にスムーズな印象があります。凝視して「やっぱや~めた」が減る印象ですね。
カラーによって、効くフェーズが違う
ここまでのお話をざっとまとめると、こういうことになるかと思います。
クリア系について
クリア系は激戦区で強くて…といったような話し方をされるプロもいらっしゃいますが、具体的にどんなメカニズムがあるのか、といった話をした場合…
…よくわからん。
アジングのロケ動画なんかを観ていると、「レプトセファルスやアミのパターンで」…といったような実釣解説をたまに見たりしますが、あくまでも私個人の意見としては、そこらへんのレベルまで行ってしまうとさすがに人間本位な大脳先行の考え方であり、魚が『自分の食べたいもの』の事情について果たしてどこまで解っているかを考えた場合、色々疑問です。
色の明度について
明度の概念をあまりコミュニティで目にしないのですが、「結局のところ、カラーチョイスってこれ」と言えるくらい大事な概念だと私は個人的に思っています。
非常に簡単な話で、モノクロにした場合、グレートーンの中でどこら辺の位置になるか、ということです。
(視細胞についての詳細は割愛します)日中のチヌは色覚が機能しますが、夜間は機能せず、モノクロに近い見え方をしていると考えられています。そこで重要なのは色ではなく明度です。

これらのカラーでいえば、「オレンジ、グリパンチャート、グリパン」といった「色」として捉えるのではなく、

「明るいグレー、濃いグレーと明るいグレーの共存、濃いグレー」と捉えるような考え方ですね。
夜間にピンクのルアーに食ってきた場合、「ピンクのルアーに反応が良い」と捉えるより、「この明度(ピンクであれば、ホワイト寄りの明るめグレーです)に反応が良い」と解釈するのが科学的に合っているのではないかなと思います。
なので、例えばモノクロ処理をした際に同じくらいの明度に落ち着く二色(代表的なルアーカラーで、わかりやすいところでいうと…オレンジとピンクとかでしょうか)を、同じ個体に同じタイミングでアプローチ出来るようなパラレルワールドがあったら、ほぼほぼ同じような見え方をしているはずですから、同じような食い方をしてくるはずだと私は考えています。
これが、スカッパノンとイエローチャートみたいな違いであれば、明度があまりにも違うので、人間の体感としても差異が出るはずです。そこで、仮にスカッパノンに反応が良ければ「スカッパノンに反応が良い」と直感的に思ってしまいますが、実際のメカニズムとしては、仮に全く同じ明度に落ち着く他の色があれば、同じ結果が出ていたはずです。「スカッパノンが良い」とはならなず、「ここら辺の明度が良い」となるはずです。
誤解がないように再度申し上げますと、これは夜であったり、濁りが強い状況、水深がある状況などの、色覚が使いにくい暗い状況での話です。日中の明るいドシャローの個体はちゃんと色を色として見ていると思います。
不透明系ホワイトの特異性

理屈的にどうこうというより、実績面においても、信じ続けて投げられるという面でも…私の好きなカラーがあります。ソリッドホワイト系のカラーです。
チヌの特効餌として知られる「ボケ(スナモグリ)」の仲間であったり、「スナホリガニ」、等々…真っ白な甲殻類やゴカイ類って、結構います。河口域を覗くと、砂や泥や岩石は限りなく黒に近い褐色がバックですから、結構目立ちます。これらの仲間について総じて言えることは、「出歩いた際に見つからないようにする」ような保護色の思想をしておらず、「一生物陰に潜み続けて暮らす」事を前提にしたデザインをしています。そのため、一度石の下などから引っ張り出すと、再度隠れることが非常に下手で、手間取りながら身を隠し直す印象が強いです(逆に言えば、河口域のそこらへんを歩いているカニなんかは、黒っぽい保護色と俊敏に岩の隙間に逃げ込む能力を備えていて、生き方としては対極ですよね)。チヌ目線で考えたときに、ふとした拍子で物陰から出てきてしまった「白っぽい生物」を見かけた際、「チャンス!」と感じるんじゃないかな…なんて、僕はよく思いますね。
そして、ワームのラインナップ展開的には、「ホワイトがないからチャートの明度で妥協…」みたいなことが結構あります。もっと出回ってほしい。
ドライブシュリンプswにホワイトないの怒りそうw
ここまで語っといてなんですが…
カラーチョイスに関しては、影響力が皆無というわけではないですが、実釣の全ての要素を見たときに、重要度はかなり低いかな、という認識です。
ルアーフィッシングの楽しさに関与する度合いはめちゃめちゃデカいけどね(笑)
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
[バッタの実験]
(↓こっちのほうがカジュアルで読みやすいです)



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