高校時代に
私は高校時代、なんちゃって特進クラスのような所に属しており、理科の実験の際には、他クラスよりやや手の込んだ実験をさせて貰える環境にありました。
生物の授業で、メダカの色素細胞の動態を観察する実験をした事があるので、その内容を簡単にまとめてみます。
①メダカを氷水にぶち込んで麻酔します(サイコ)
②動きが停止したら、ピンセットで鱗を一枚剥ぎ取ります(サイコ)
③顕微鏡下で、いくつかの神経伝達物質をピチョッと垂らし、細胞がどう反応するのか観察します。
こんな感じの要領です。
顕微鏡を覗くと
こんな感じのものが見えます

星形の袋のような構造があり、中に黒っぽい色素が入っています。この中で黒い点が中央付近に集まったり、全体に分散したりします。左のように分散していれば、魚の体色は黒っぽくなります。右のように中央に集結していれば、魚の体色は白っぽくなります。
そしてこの黒い点は、神経伝達物質を垂らすと、それに反応して動きます。
【交感神経系興奮薬】(興奮寄りの状態)
・ノルアドレナリン
・ドーパミン
これらを垂らすと、黒い点は中央に集まり、体色は白っぽくなります。
【副交感神経系興奮薬】(リラックス寄りの状態)
・アセチルコリン
これらを垂らすと、黒い点は全体に分散し、体色は黒っぽくなります。
こんな感じの実験内容です。
それ以外にも、魚の体色の仕組みを大雑把にまとめると
今お話しした実験の内容は、黒い色素(メラニン)を司る細胞に注目したものです。しかし、魚の体色は多くの種で、四種類の色素細胞から成り立っています。
①黒色素胞
②赤色素胞or黄色素胞
③白色素胞
④虹色素胞(タチウオや青物に見られる金属光沢のような色がわかりやすいですね)
魚類は非常に多くの種がいるので、これ以外にも様々なギミックを持っていたり、逆にほとんど持っていなかったりしますが、スタンダードの部分ではこんな感じです。
ちなみに、ヒメダカやヒドジョウのような黄色っぽい色彩変異は、黒が抜けて黄色や赤、白が前面に出てきた変異ですね。
で、クロダイは?
クロダイに関しては、(多分)このベーシックタイプの四種構成でほぼほぼ間違いないとは思うものの、我々アングラーが一番気になる部分としては、「釣れる個体は何色なのか」といった部分でしょう。
体色だけはマジで関連性が見出せない
高校時代の思い出を踏まえつつ、サイトチニングをそれなりにやり込んでも、とにかく
喰ってくる個体と体色の傾向に関連性を見出せない
というのが、現在の正直な感想です。
理論上の部分で言えば、興奮気味かリラックス気味かをあらかた上から見分けられるのかもしれませんが、個人的な感想としては、マジで関係ないです。本当にまちまち、という感想です。
釣りやすい個体の輪郭やガタイの良さ、行動パターン等はあっても、体色だけはイマイチ良くわかりません。
でも、別の方面で参考になることが
少し話が脱線するのですが、マダイの養殖において、浅い養殖イケスでガンガンに日光を当ててしまうと、体色が黒ずんで見栄えが悪くなってしまう事が知られています。マダイと比べると、クロダイは水産上の価値が遥かに低いので、体色についての研究は皆無に近いのですが、もし同じ境遇に置かれれば、タイ科の魚として同様の変化をすることが考えられます。メカニズムの部分で言えば、メラニンの生産量の増加によるものです。
居着き個体が黒く、回遊個体は銀色
この傾向については、チニングに留まらず、餌釣りを含め、大昔からチヌ釣りの共通認識としてあるのではないかと思います。例えば河口の係留ブイを毎日見周ったとして、「この個体、おとといも昨日も今日も、ずっと同じ場所にいるな…」みたいな事があった場合、その個体は人間が目視出来るほどの浅場に長期間留まるライフスタイルであることが予測できます。
一方、回遊個体が銀色である理由としては、水面直下に出る時間が短く、そこまで日光を浴びていない事が考えられます…が、机上の空論といいますか、当てはまらない事も多々。
汚いチヌについて
さらに話が脱線するのですが…出血があったり、ヒレが裂けていたりする「ちょっと汚い容姿のチヌ」っていますよね。ケガがあったり、寄生虫が表面についていたりする場合、自分の体液の塩濃度より濃い環境にいると、どんどん外の塩分が体内に入ってきてしまいます。逆に、自分の体液より薄い環境にいると、どんどん体内の塩分が体外に出て行ってしまいます。その際、浸透圧調整といって、体の中のナトリウムポンプと言われる細胞が、頑張って体内の塩分をコントロールするのですが、この時にナトリウムポンプはカロリーを消費します。彼らの感覚はわかりませんが、ケガがある状況で濃い海水中に長期間留まる行為は、かなりカロリーを消費する「疲れる行為」と言えます。汚いチヌは、潮の干満や餌場の位置、傷の都合などに伴って、そのときどきの居場所を決めているような印象を受けます。一方、綺麗なチヌは居場所の制約がそこまでないと考えられます。
海水域のイカダのチヌとか、綺麗なピカピカの個体が多いイメージありませんか?
さらに言えば、サイトチニングにおいては、汚いチヌは釣りやすいイメージがかなり強いのですが、これも浸透圧調整にカロリーを割いてしまっているおかげで、「常にカロリーがどんどん失われており、小腹が空いている状態」なのではないかと私は推測しています。
ちょっと可哀そうだね笑
友人から聞いた面白い話
三浦半島先端付近の磯場に自前の船を持っている友人からの聞き伝てでは、「真冬(2月付近)でもチヌは船着き場にいっぱいいる」という話で、どうやらアマダイ釣りの外道で、サバやイカの短冊を付けた仕掛けで、水深30mほどの地帯でボコボコに釣れるという話でした。そしてこの時期は、東京湾の小規模河川から見えチヌが消えてしまう時期と一致します。

私は、厳冬期に東京湾の小規模河川から消える良型のチヌは、黒潮がしっかり当たる三浦や館山方面の磯場に居るという仮説を持っています。どうなんでしょう…
旧江戸とかは真冬も濃いし、一年中いるけどね…同じ移動様式の魚なのかはわかりません。小型の雄~両性個体も、大型の雌と異なる移動パターンをしていると感じています。
まとめ
Q:釣れる見えチヌはどんな色をしていますか?
A:わからん。



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