いかがでしたでしょうか。
結局大事なことはただ一つ
この実験結果から言える重要なことはただ一つです。
スレる≒ラインの認識の蓄積
ということであり、ラインの先に何が付いているか(餌でも、ルアーでも…)は最重要項目ではないということです。
少なくとも、クロダイをメインターゲットとして見据えたサイトチニングの場合、こう言い切ってしまっても問題ないのではないかというくらい、アプローチの成功率において「ラインの扱い」が占める割合は大きなものがあります。
以前から私は、サイトチニングにおいては「ラインさばき9割」という事を発信し続けているのですが、こうした文献的な根拠にとどまらず、サイトチニングの経験を積めば積むほど、そう思わされるチヌの挙動を目にするからです。
逆に言えば、一度見切った個体がその場から離れない場合、「カラーローテーション」をしても、効果を感じることは(個人的に)ほぼありません。立ち位置とキャスト角度を変えて、ラインの軌道を大きく変えつつ、リグやルアー自体はそのままでアプローチし直す方が、はるかに優れた効果を感じます。
認知バイアスについて
今までは、釣られる側の都合、つまり魚の事情に関して話しました。しかしまだ、アングラー側のコト、人間の事情については考えていません。
人間の都合を考える場合、認知バイアスというものについて考える必要があります。認知バイアスとは何か、AI(Gemini)に簡潔にまとめてもらいました。
認知バイアス(Cognitive Bias)とは、過去の経験、固定観念、情報処理のクセにより、物事を客観的に判断できず、非合理的な偏った見方をしてしまう心理現象です。脳が情報を速く処理するための「ショートカット機能」として機能する一方、誤解やミスを引き起こす原因となります。
認知バイアスには色々な種類があるのですが、この話題で特に関連性が強いのは
『自己奉仕バイアス』と『確証バイアス』でしょう。
自己奉仕バイアス(Self-serving bias)は、成功要因を「自分の能力や努力(内的要因)」、失敗要因を「運や他人のせい(外的要因)」と、自分に都合よく解釈する心理的傾向です。
確証バイアス(Confirmation Bias)とは、自分の信念や仮説を肯定するために、それに都合の良い情報ばかりを集め、反対の情報を無視・軽視してしまう心理的傾向です。
※認知バイアスは誰もが抱え、陥りがちであり、こうした思考をしてしまうからダメという訳ではありません。しかし、あくまでも釣りにおいて結果を求めていくのであれば、認知バイアスを自ら補正し、目前で起きている状況を正しく理解する必要があります。各ジャンルのプロアングラーが書かれているブログ等の文章を読むと、この「状況を正しく客観視する」能力がずば抜けているのをひしひしと感じます。
YouTube等で何通か異論をいただいた中で、特に『スレたチヌ』に対して持ちがちな認知バイアスについて、解り易いものがいくつかあるので、今回例として考えてみます。

正面に立つ『だけ』と仰っているので、実際に正面に立って逃げられてしまった経験をお持ちである事がわかります。しかし、正面に立つ『から』逃げられるのであり、スレている(ラインの認識力が学習によって高まっている)か否か、が効いてくるよりも前の段階での動作(歩き方、覗き方等)が低質である可能性が拭えません。
この場合ですと、失敗要因を「スレ度合のせい(外的要因)」に転嫁する『自己奉仕バイアス』が見受けられます。

「カニを落としても逃げる」と仰っていますので、チヌのなかば上方から餌を落とすようなアプローチをしていることが窺えます。しかし、見えチヌと呼ばれるようなサイズ感のチヌは、ほぼほぼ水中に敵はおらず(GTやオオメジロザメが河川に入るような南西諸島は別かと思います)、基本的には鳥類が最大の脅威であることは想像に難くありません。
私のサイトチニングの場合、高い足場の釣り場を積極的に選択する傾向にあります。チヌに近づきつつも距離を取ることが出来るので、アプローチの成功率が非常に高いためです。
自身に都合の良い情報ばかりを集め、反対の情報を無視・軽視してしまう『確証バイアス』によって導き出された論理である事がわかります。

私は内陸県在住ですので、ホームポイントを持っておらず、神奈川~東京~千葉まで、様々なポイントに行っています。静岡県に住んでいたこともあり、そこでもチニングをしていました。
そうした経験から思う事として、そもそも東京湾全域でクロダイの魚影が濃く、『そもそも東京湾が恵まれている』といった事があります。
しかし、メジャーポイントではスレ度合(ラインの認識力の向上)が著しく(三連休の中日、最終日なんかは凄まじいですね)、そのポテンシャルを上回って釣りにくさが勝るという認識です。
二度食いについては非常に頻繁に起こる事であり、オフセットフックに限らず、ストレートシャンクのジグヘッドやストレートフックの剥き出しセッティングでも、平気ですっぽ抜けが起こります。そのため、「ガツーン!」といったアワセをすると、口からリグがすっぽ抜ける勢いがすごすぎて、せっかく食い気があった個体なのにびっくりして逃げてしまいます。私の場合、サイトであればヒジから先だけでアワセの動作を行うことが多く、仮にすっぽ抜けても、チヌが「やべっ」と追い食いしてくるチャンスを潰さないように極力心がけています。低確率で起こる事であればこんな事は気にしないと思うのですが、このコンパクトなフッキングが無意識に腕に染み込んでしまうくらい、サイトチニングでは頻発する現象です。
特にこの御二方は、私の投稿した動画に限らず、あらゆるチニング動画のコメント欄で積極的に活動されており、動画内で取り上げられているアングラーの力量否定について、大変尽力されています。
最後に
前編で紹介した論文について、あらためて「本当に面白い研究だなあ」と思いました。
そして、この発信の前後でも、依然として私の言うことは変わらないと思います。。。
結局ラインの扱いが9割…
最後までお読みいただき、ありがとうございました。



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