東京湾のサイトチニングにおいて、ツツ抜け超を目指すにあたって その②

サイト

その①はこちら

本ページの概要です↓


【その②】
・ライン

リーダーのチョイス
少し脱線:フロロカーボン以外の素材について
PEラインのチョイス
強度計算
ドラグ値の計算
リーダーとアイの結束部分の強度
ライン比重の使い分け

次はラインについて考えていきます。

リーダーのチョイス

この釣りでは、フロロカーボンのリーダーのみを使っています。ここで書いているようなガチのサイトチニングの場合、私は(同一の径の場合)市場で最も強力があると感じているグランドマックスシリーズを使用し、リーダーを限界まで細くします。

赤いパッケージのノーマル仕様と黒いパッケージのFXがありますが、耐摩耗性に優れる赤よりも、結束強力に優れている黒を採用しています。

仮に赤を選んだとしても細いので、コスレに気を抜けない事に変わりはありません。サイトなので、チヌだけでなく周囲のストラクチャーの様子もカンニング可能であり、事前にある程度ファイトのイメージが出来ます。「ここで仮に掛けられたとしても無謀だな…」みたいな事も事前に解ります。そして、その無謀なアプローチを未然に防ぐために、①フィネスなラインシステム②パワフルなラインシステム の二系統を用意し、現地で替えスプールを取っ換え引っ替えして、チヌの状況を見て使い分ける作戦を取りました。具体的な号数で言えば、①フィネスな方は1.5号②パワフルな方は2.5号です。3号まで太くすると、アプローチが上手く行ってもいよいよ猛烈に見切られ始める印象があるので、太い方は2.5号にしています。細い方は、しっかり良型チヌを回収出来る強力をギリギリまで見極め、1.5号にしています。

このような形でリーダーを決めたら、次はPEラインを考えます。

少し脱線:フロロカーボン以外の素材について

例えばナイロンであれば、同一号数ではフロロカーボンより径が細いので、リーダーを細くする事が出来ます。そのため、「強いフロロ」でしのぎを削るより、「強いナイロン」で細さと強力のバランスを追求した方が一見良いように思えます。しかし、実際にナイロンをサイトチニングで使ってみると、0.8号まで細くしても、体感値としてはもう少し上の号数のフロロよりかなり見切られる印象が強いです。

↓クリアー系のナイロン通しで釣ったチヌ

「フロロカーボンは水と屈折率が近いので、見切られにくい」という説がルアーフィッシングシーンにはありますが、私はこの論に対してかなり肯定的です。ナイロンに関してはかなり混ぜ物の自由度が効くので、屈折率は商品によって大きく異なりますが、概ね

水(約1.33)< フロロカーボン(約1.42)< ナイロン(約1.53~1.58)< エステル(約1.60~1.65)

に落ち着くと思われます。1.2号~2号程度のエステルもそれなりに使った事がありますが、そうするとやはり相対的にフロロカーボンの見切られにくさを感じます。

PEラインのチョイス

PEラインにおいても、①フィネスなラインシステム②パワフルなラインシステムの二通りをそれぞれ考えます。しかし、リーダーが細くても、私はそれなりに太いPEを使うことが多いです。サイトであれば近距離である事が確定していますので、スピニングであれば十分に届く飛距離を出せます。①ではサンラインさんの『オールマイト』の1号、②ではよつあみさんの『オルトロス PEWX8 ゾーンフィネス』の1号を使いました。リーダーは①と②でかなり太さに差があったのに対して、PEはどちらも同じ1号を使っています。しかし前者は高比重PE、後者は通常比重PEですので、強度は結構違います。

①フィネスなラインシステムの場合、先程決めた1.5号のリーダーに接続するのですが、ここでちょっとした強度計算を行います。数釣りにおいて非常に重要な事として、タイムロスの削減が挙げられます。環境負荷の面でもラインをフィールドに残すことは極力避けたいですが、タイムロスの面でもFGノットより手前で切れることは絶対にあってはならないので、強度計算を行います。

※おそらくここが最も需要の無い部分だと思いますので、一気に その③ まで飛んでもらっても大丈夫だと思います。

強度計算

まずは、使いたいリーダーの号数が一番最初に決まっている状態で、ちょうどいいPEの号数を算出します。

グランドマックスの商品ページを見てみると、標準結束強力が表に示されています。

1.5号では2.55kgとあります。

強度計算をする上で注意したいのは、「標準結束力」「Ave.」といった表記に代表されるような平均値を示しているのか、「Max.」といった表記のような最大値を示しているのか、という部分です。これはメーカーによって異なります。

個人的に信頼出来るメーカーが平均値を出していた場合、その数字をそのまま計算に用います。しかし、信頼出来ないメーカーが最大値を示していた場合、0.8くらいの数字をかけて強力を弱めに見積もり、実際の強度を出します(MaxやAveと言った表記が無い場合もありますが、その場合は「Maxだろうな」と考えて弱めに見積もります)。

リーダーがPEに対して細いほど、FGノットより手前で切れる確率は減ります。私の場合、PEラインの70%以下の強力のリーダーを使うことが多いです。しかし今回は数釣りスタイルという事で、何があってもFGノットより手前で切れる事は避けたいという考えがありますので、チニングにしてはやや太めのPEを用いて、大幅に安全マージンを取った40%で算出します。

x(kg)×0.4=2.55(kg)

になればいいので、この場合、オールマイトに欲しい強力(x)は6.35kgとなります。

6.35kgをポンド(lb)に変換するとおおよそ14lbです。オールマイトの製品ページを見ると、1号の平均強力が14lbとなっています。なので、オールマイトであれば1号を繋げば良いという事になります。

②パワフルなラインシステムも同じ要領で計算すると、このようになります。

オルトロスは1号が最適、という計算結果になります。

ドラグ値の計算

後でリールについて深堀りしますが、ここでドラグ値も計算してしまいます。ベイトリールの場合はドラグ性能が低いのでほとんどしないのですが、今回はスピニングリールを使うので、しっかり計算します。

先程の画像をもう一度貼ります。

ドラグ値の計算は、図のおおよそ下半分の部分ですね。

リーダーとアイの結束部分の強度

私はパロマーノットをよく使います。パロマーノットであれば、よほどしくじらない限り、90%台の結束強力を出せます。しかし実釣当日は真夏であり、ノットを炎天下の下で組む必要があります。万が一パフォーマンスが低下していた場合に備え、90%ではなく85%の強力しか出せていなかったと仮定し、グランドマックス1.5号の標準結束強力である2.55kgに対し、0.85を掛けます。

2.55(kg)×0.85=2.17(kg)

また、太糸システムの場合は、アイとリーダーの結束部分をパロマーノット(結束強力90%程度)からクリンチノット(結束強力70%程)に置き換える事で、敢えてここの結束強力を下げ、FGノットよりも手前で切れる確率を下げています。これによって、フィールドや魚の口にラインを残さない確率が上がります。

※ちなみに、FGノットは必ず自宅内で組み、97%近い強力を出せているという前提で、計算に取り入れていません。FGノットについて、私は現場で極力組み直さないようにするために、替えスプールを多めに所持して、自宅でFGノットのストックをある程度作っておくスタイルを取っています。

ドラグ設定については色々と個人差があるかと思いますが、シーバスの村岡昌憲プロは、ライン強力の1/3(33%)で組んでいると仰っています。私の場合、シーバスではなくチヌを狙うので、40~60%と、他魚種と比較して強めの設定にする事が多いです。弱気な設定値だと、チヌの場合なかなか刺さりません(これはもちろんフックの線径に大きく依存する話であり、タンクヘッドよりも細軸のフックを使えば、より弱いドラグ値でしっかり刺していく事は可能です。ロッドの硬さやテーパー、ラインシステムの伸び率等の影響もかなり受けます)。①フィネスなセッティングでは、ドラグ値はライン強力の40%として計算しています。

先程算出した「クオリティが微妙なパロマーノットの強力」である2.17kgに40%(0.4)を掛けます。

2.17kg×0.4=0.868kg

なので、ドラグ力は868gが最適という事になります。

ドラグ値はシンワ測定さんのバネ測りを使い、自宅で測定しています。

釣り具メーカーのものに似たようなものがありますが、D社S社は販売していないので、信頼のおけるシンワ測定さんのものを使っています。構造がシンプルで校正も簡単です。

しかし、嵩張るので現場には持って行っていません。ファイト中にクイックドラグでバンバンドラグ値は変えてしまいますので、あくまでも自宅でジーッとラインを引き出してみて、「このくらいだな…」といった感覚を手に染み込ませておく程度です。その際に、今算出した868gという数字を目安にします。

②パワフルなラインシステムでも同様の計算で、ドラグ値は1.08kg、おおよそ1.1kgとなります。しかし、実際にバネ測りを用いて1.1kgの負荷を手で体感してみるとわかるのですが、チヌではこのドラグ値のスプールからラインを引き出すことはほぼほぼ出来ないと考えても良いくらい強いです。クイックドラグを使っていますので、現場ではほぼフルロックです。

ライン比重の使い分け

高比重PEは、大きくたるんだ状態からフッキング動作をしても、ラインが重いので軌道が持ち上がらず、垂れた状態を維持したままフッキング力が伝わりやすいです。

なので、この釣りでは全て高比重PEを使いたいのですが、②の太糸システムにおいて、例えばオールマイトの1.2号や1.5号を使ったりすると、飛ばすリグは1.8gのオカッパリヘッドですから、飛距離の低下があまりにも酷すぎて実用に堪えないものとなってしまいます。そこで、1号という細さをキープしたまま、高比重素材から通常比重素材に置き換える事で強度を確保しています。現実的な飛距離の制約の上で、若干妥協しながら通常比重PEを使っています。

ということで、ラインについてはこんな感じです。次はリールについてです。

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