前回の記事はこちら。
その②では、具体的な製品名を挙げて、特徴を書いていきたいと思います。まずは、
A:文句なしの釣獲力の「優秀」ワーム
B:あと一歩の「惜しい」ワーム
に分けて書いていきたいと思います。
実釣能力抜群の優秀ワーム
①ジャッカル 『ワムワム』シリーズ

通常の『ワムワム』は、48mmと60mmの2つのサイズ展開があります。また、これにラバースカートチューンを施した『ワムワムフレア』もあり、こちらも48mmと60mmがあります。
とにかく、このワームを一言で表すなら「良く釣れる」で間違いないと思います。というものの、かなり前からチニングにおいては「優秀ワーム」として陰で認識されており、かなりやり込んでいる人が地味~に使ってたりする様子をたびたび目にしていました。
おそらくですが、この手のワームとしては珍しい繊細な細い手足(?)がついており、これによるシルエットの経時変化のし易さが効いているのだと思いますが、それだけでは説明がつかないような不思議なパワーがあります。
しかし後発の『ワムワムフレア』が発売されてからはもはや覚醒した感があり、デッドスロー~ステイ時のアピール継続力はもはや最強に近くなりました。
このようなソーセージ型の高比重ワームはたくさんありますが、頭一つ抜けているというのが私の印象です。
デメリットとしては、フッキング能力にやや難があるという点があります。ソーセージ形状の高比重ワームの共通の欠点でもあります。普通にオフセットフックにセットして使うと、ビックリするぐらい掛かりません。
フッキング能力の改善
前述のように、触覚フックのようなガード付きストレートフックでどうにかならないか試行錯誤しましたが、やはりスーパー根掛かり地帯では使えません。かなりアンチシナジーです。また、ソーセージ形状のため断面が丸に近く、ロールしやすいです。ストレートフックでは針先とガードの重量によって上側が重くなってしまい、常にボトムを針先でひっかくような形で、上下反転したまま引きずって来る事になります(グリパンチャートのワムワムをサイトで使って気付きました笑)。
そこで、コイル式のフックを使う事を思いつきました。
普通のオフセットフックであれば、クランク部でワームが固定されているので、多少なりともワームが屈曲しないと針先が出ません。

しかしコイル式であれば、キーパーとアイが関節になっており、ワームの屈曲が伴わなくても針先が飛び出します。

これであれば、曲がりにくいワムワムでも容易に針先が飛び出るはずです。
市販のこのタイプのフックを色々使ってみましたが、線径が過剰気味なものが多いです。細めのものを探した結果、48サイズについてはオーナーさんの『ツイストロック フィネススタイル』の1/0を、60サイズについては同じくオーナーさんの『ツイストロック ライト』の3/0に落ち着いています。


※ワムワムの上下を見ると、下側(腹側)にのみ、正中線上にスリットが掘ってあります。

このスリットを必ず活用します。特に根掛かるエリアでは必須です。必ず針先をスリットに収納してください。※ツートンカラーの場合、腹側の色が上に来たセッティングになります。
注意点として、防錆性が皆無に近く、使っているその日のうちに錆びだします。今のところ、これによって折れてしまったといった事は起きていません。ワームにフックを刺した状態での保管は絶対にやめた方が良いと思います。特に湿度の高い時期の高比重ワームは、塩が空気中の水分を吸って濃い塩水になり、周囲の鉄を強烈に錆びさせます。気を付けましょう。
使い所については、シチュエーションを全然選びません。もはや、「高比重ノーシンカーチニング」≒「ワムワムチニング」ぐらいの認識ですら良いとも思えます。
そして、販売価格が安いです。ジャッカルさんには「赤パケ」と言われる500円ラインナップ(今は物価高騰でそうではなくなってしまいましたが…)があり、なんとワムワムはここに属しています(値上がりしたとはいえまだまだ安いです)。

一軍クラスのワームがこの値段で買えるのは、本当に感謝しかありません。
フレアは人件費の分若干お高くなっており、赤パケではありません。私はデコイさんのラバースレッダーを使用し、隙間時間でフレアを自作しています。

48mmと60mmの使い分けは、単純に「アピール力」と「スピード感」だけです。近距離チニングの範疇でも、それなりの範囲をそれなりの速さで探っていく場合は60mmを使います。杭状のストラクチャーを一本ずつ撃っていく場合や、サイトで目前に落とし込むことが可能な場合など、「点の釣り」極まりないシチュエーションでは48mmを使います。
ノーマルとフレアについては、正直な所「大は小を兼ねる」的な意味合いで、フレアだけ持っていれば良いような気もします。ラバーによる若干の飛距離低下があるので、そこを重く見た場合ノーマルの採用もありかなとは思います。
②一誠 スーパースティック4インチ HS

あまり多くない「細長いスティック形状」の高比重ワームです。4インチなので若干大き過ぎます。大きな番手のナローフックを使用して針先を後ろの方に下げ、どうにか掛けていく事も可能でしたが、やはり3インチサイズにカットして使うのがしっくり来ます。個人的にはワームをカットして使う事については否定的で、設計された方の意図を潰してしまうという面でも、ちょっとセコい、といった点でも、本来はあまり好きではありません。しかし、そんなことを言っている場合ではないくらい、カットして作り上げた『スーパースティック3インチ HS』は優秀です。
極小のシャッドテールによって、高比重ノーシンカーのスイートスポットである「超低速~停止レベルのスピード域」で優れた喰わせ性能を発揮します。
また、ソーセージタイプと違って細長いので、そこそこ屈曲性があります。前述の「フッキング悪すぎ問題」を気にしなくても、オフセットフックですんなりと掛けに行く事が可能です。
※少し脱線:カット等をせずにそのままサラで使う場合、エバーグリーンさんの『バスエネミー 2.9インチ』はかなり近しいイメージで使えます。シャッドテールとグラブテールという違いはありますが、コンセプトはかなり近いです。

カット時の注意
頭部を切って3インチに切り詰めるだけなのですが、フックを錆びさせるように、カッターの刃も猛烈に錆びさせます。私は錆びる事を容認して使っていますが、本格的に量産する場合、セラミックのカッターや包丁の方が良いと思います。
出し所
さっき「ワムワム最強」みたいな文を書いたので、「これはどこで使うんだ」といった感じですが、ゴロタや敷石等の隙間を縫うように探る釣りにおいて、素晴らしい性能を発揮します。先述の「挟まるタイプの根掛かり」が発生しやすいエリアで、臆さずワームを隙間に入れていって探る事が出来ます。
適したフック
オーナーさんの『マルチオフセット』の1/0に落ち着いています。

マルチオフセット(上)は、アイを中心に見た場合、そこから同心円(黄色で示しています)を描くようなフトコロのフォルムをしています。これであれば、ワームに空いた穴の軌道(紫)が全く変わらないまま、ワームが下にズレる事が可能です。屈曲も伴いません。非常に針先の露出がスムーズです。

一方そうでないフォルムのオフセットフックは、ズレる際にワームの屈曲を伴うか、ワームに空いた穴のトンネルが裂けてしまうかのどちらかでないと、針先が大きく露出しません。一般的なワームであればそれでも問題ないのですが、素材が硬い高比重ワームでは、大抵針先が飛び出ず、すっぽ抜けに終わります。
また、マルチオフセットは縦アイなので、アイの横幅が小さく、石と石の隙間のすり抜け性能が最強レベルです。
針先もピタっとワーム表面に沿う平行タイプなので、スーパー根掛かりポイントに投入しても針先が障害物の表面を拾いません。

※ここで針先が外向きのタイプのオフセットフック(ダブルエッジやシルバーウルフ等…)を使ってしまうと、ほんの数ミリ針先がワームの体表から浮くことによって、根掛かり率が一気に増え、良さが半減してしまいます。チヌへの掛かりは勿論良くなりますけどね…
あと一歩の「惜しい」ワーム
エバーグリーン クローモーション

一言で表すと、「物凄い作り込みレベル」のワームです。細部まで行き届いた親切な設計と創意工夫が素晴らしいです。
クロー・ホッグ系の手足が付いた高比重ワームは他にも無い訳ではありません。先程紹介した赤パケシリーズにも、カバークローなんかがあります。一般的なチニングで高い評価を得ているボトムアップのハリーシュリンプの高比重派生モデルである『ハリースライド』なんかも良さそうです。


しかし、そういったものは断面がほぼ円形をしているのに対し、このワームは断面がハート型をしています。

(こうした設計の細部の意図はエバーグリーンさんのHPに書いてあるので、興味がある方は是非読んでみてください)。
これによって上下がひっくり返りにくく、ワームが常にオートマチックに針先を上に向けてくれます。これは本当に素晴らしい事で、特にスーパー根掛かりエリアでは物凄い恩恵を受けられます。少し前に「フリーリグの針先が下を向いてしまう事」について、気にするか、気にしないか…といった議論がありましたが、あまりにもハードなボトムのポイントだと、自然は天地の無いリグを許してくれません。常に上を向く工夫が無いと、すぐ根掛かるのは勿論、針先も一瞬で丸まってナマクラになってしまいます。
また、このワームを手に持った瞬間に解るのですが、自重が半端ないです。製造上の限界まで塩を多く含むように設計したそうですが、本当にずっしりとしています。
しかし、こうした自重を持たせるためにずんぐりむっくりに設計された太い胴体のせいで、オフセットフックをセットした際のフッキングの悪さはとてつもなく、掛かりにくいどころか「ほぼ掛けられない」と言い切ってしまっても良いぐらいです。また、この設計のまま2.7インチくらいであれば最高にジャストなサイズなのですが、3インチだとちょっと大きすぎます(とにかく太短いので、「3インチ」という文字面のイメージ以上にボリューミーです)。そのため、口の中への収まりが良くありません。ここがこのワームの最大の欠点です。お尻の関節一個分を切り落としてコンパクトにしたり、色々足掻いてみましたが、この欠点がかなり足を引っ張り、「惜しいワーム」の領域に留まってしまいます。良型クロしかいないポイントでのサイトチニングでは光るものがありそうですが、実際ワムワムで事足りてしまうのも事実…
他にも惜しいワームはいっぱいあります
TKツイスタージュニア、エビタヌキ、ドライブショット、等々…とにかく色々試して、ダイヤの原石的なワームもそれなりに見つけたのですが、それぞれ色々な部分に一長一短の得意・不得意分野があり、面白いです笑
惜しいというよりかは、先述のように「極論イモでも良い」といった具合で、ワームの銘柄の違いでバイト数に差が出にくいジャンルでもあります。ということは、二軍三軍のワームにも日の光が当たりやすいジャンルなので、「これ良さそう…」といった理由だけで色々試すのも面白いです。「このポイントのここでだけ光る特殊ツール」といったような、自分だけの奥の手になり得る可能性があります。
次は、ワムワム48、ワムワム60、クローモーションの三つで、それぞれタックルセッティング案を考えてみます。





コメント