個人的なCT愛を語る

ツール・機材

『クロダイ×スピニングのイメージ…』とよく言われるのですが、ちょっと昔は意外とそうでもなかったりもします…

そもそも

まずはCTの歴史を語りたいのですが、その前に…

共有事項として、ベイトリールのキャスト時のレスポンスに対しての、私の見解を書いておきます。

スプール径

小さい方がレスポンスが良く、軽量ルアーのキャストに適します。しかし、径の小さいスプールで重いルアーを投げると、過回転によりかえって飛距離が落ちたり、トラブルが急増したりします。

大きい方はレスポンスは劣るものの、一度回りだすと慣性が働き、伸びが生まれるため、中~重量級ルアーのキャストに適します。径の大きいスプールで軽いルアーを投げると、回転数が上がらないので、飛距離が極端に低下し、コントロール性も落ちてしまいます。

・スプール幅

径とほぼ同様の理由で、小さいとレスポンスが良いので軽量ルアーに適し、大きいとレスポンスは劣るため、中~重量級ルアーに適します。

ダイワはTWSの恩恵で幅広スプールが多く、シマノはそれが無いので幅狭スプールが多い傾向にあるね。

・糸巻量

多いとスプールの重量が増加し、レスポンスが落ちるので、極小ルアーなんかは顕著に飛ばなくなります。少ないと重量が減り、レスポンスが上がるので、軽いルアーもしっかり伸びていきます。

ダイワのベイトフィネス機は取説に「巻く糸は40mまでにしてね」とか書いてあるよね。

これらを踏まえて、チニングでよく見かけるダイワリールのキャラ観を整理すると、

シルバーウルフ SV TW

34㎜径×24㎜幅です。この比率はダイワも「黄金比」と謳っており、古来から続くオーソドックス寸法です。

ソルティストSV 80

アルファスSV TW

32×21㎜です。径、幅共に一回り小さいです。ライトバーサタイル、といった感じです。


CTシリーズ

30×21㎜です。ベイトフィネスも出来ちゃうかなりライトなバーサタイル(?)

とにかく、CT独特の守備範囲といった感じ。

AIRシリーズ & BFシリーズ

(一部30㎜の例外あり)

28×21mmの超ちっこいスプール。究極です。しかし近年は守備範囲が上方向に広がっており、特にSS機構が登場してからは、超軽量ルアーの扱いやすさをキープしたまま、上方向(重め)への対応力も上げてきていますね。

私の認識をざっくり話すとこんな感じです。ということで、本題に入りたいと思います。

CT SVの登場時について

2019年、ダイワが『CT(コンパクト&タフ)と称して、新しい規格を打ち出しました。30mmという超小口径のSVスプールを搭載したシリーズです。この年に発売されたモデルとしては

『スティーズ CT SV TW』

『アルファス CT SV』

『ミリオネア CT SV』

があります。とんでもなく気合の入ったラインナップ展開です。

当時は「ベイトフィネス」を称している商品でさえ31~32㎜(ダイワ・シマノ製品に限っては、ですが)が主流であり、30mmは度肝を抜かれるような小口径でした。SVシリーズは34㎜を中心に、32㎜、33㎜もありました。完全に未知のジャンルとしてユーザーは受け取った感覚がありました。

ベイトフィネスとの混同

ダイワはあくまでも『ライトバーサタイル』的な宣伝文句で出したものの、世間の中では「趣旨を捉えた人が半分」「ベイトフィネスとして捉えている人が半分」といったような感じでした。しかし、驚異の小口径故に、ベイトフィネス分野でも過去の機種に追いついている、あるいは凌駕している部分もあるような、とにかく斬新なスペックでした。

翌年に発売されたスティ-ズAIR TWの存在

翌年2020年になると『スティーズAIR TW』が発売されるのですが、今度は28㎜という…更に更に度肝を抜かれるような小口径…。ベイトフィネスとCTの分別が世論に根付き始めると、「なんかCT微妙じゃね?ベイトフィネス機と34㎜のSVの使い分けで良くね?」といった意見が多く見られるようになりました。

再評価路線

しかし幾年か経つと、CTの絶妙なポジションと「ちょうど良さ」が認識され、再評価されるようになりました。2023年頃でしょうか?〇リーネット等の中古市場で、19スティーズCTの在庫が段々と枯渇し始め、のちに発売される『25スティーズ CT SV LTD』の発売の前年・前々年に当たる2024・2023年は、プレミア価格に半ば近いような中古品が急増し、とんでもない高騰が続いていました。フリマサイトでは極悪な価格設定の出品が乱立し、それはそれはカオスでした。

19年から放置されていたCT規格に6年ぶりの新製品が到来

25アルファスBFが30㎜で出たときは「CT規格ごと消えるのか⁈」と冷や汗をかきましたが、息を吹き返したかのように26LTDが発売され、CTファンは6年越しに無事成仏したのでした。また、年明けにシルバーウルフCTが発売され、『CT規格』は再度熱気を帯び始めました。

ちなみに私はアドミラCTを早期の段階で自作し、空白期間をこれで食い繋いでいました(キスやカワハギ等を見据えた船釣り用の両軸リールである『20アドミラA』に、CTスプールとブレーキユニット等を組み込む魔改造品です)。

今でこそ思う、CTの特徴と個性

①ベイトフィネスと違い、いっぱいラインが巻ける。

②ベイトフィネスのように、鋭いレスポンスで軽量ルアーを扱える。

この両立こそが、CTの最大の個性と言って良いのではないでしょうか?

具体的に向いているシチュエーションが二極化

①近距離を狙っていく場合

際立つのは「軽いリグをピシパシ正確に撃てるのに、ラインは太く出来る」ということでしょうか?軽いルアーを細糸で撃っていくのであればベイトフィネス専用品で何ら問題ないのですが、私の場合は『オールマイト1.5号』のような、かなり強気なメインラインに対し、2.5gを下回るジグヘッドで使いたい場合なんかがあります。それも、スピニングではなくベイトで…どうしてもやりたい場面があります。ダイワのベイトフィネス機は、スプールの軽量化のためにブランキング加工が施されており、「太いラインを巻くと歪むので辞めてね」といった公式アナウンスがされています(自己責任で太いの巻いても良いけどね…)。

テック的な部分で言うと、スプール軸両端のベアリングサイズも違い、ベイトフィネス機は極限までレスポンスを高めるために、小口径ベアリングが搭載されています。しかし小さいベアリングは耐久性が落ち、負荷がかかるとシャーシャー鳴ったりするのも早いです。CTは通常サイズのベアリングを採用しており、ここらへんはタフ寄りにパラメータを振ってあります。

ミリオネアCT。ベイトフィネス機の超小口径ベアリングでこんなことしたら一撃でシャーって言うと思う。

②遠距離を撃っていく場合

遠距離分野はそもそも34㎜スプールの方がどう考えても向いており、飛距離も絶対的に34㎜の方が出ますが…。実際に使ってわかるCTの良い所があります。それは、

「6~7割の力加減のキャストで、回転数がしっかり上限まで到達してくれる」という点です。一発のキャストだけ切り取るのではなく、何十投ものキャストで、力まずトラブルレスに、かつそこそこの飛距離を出したい。といったときに、結構CTは向いていると思います。マン振りでは一撃で過回転になってしまいますが、力まないキャストであればレスポンスの良さが逆に活きて、「長時間の中距離攻略で、SVらしいキャストのフィーリングが欲しい」「近くはないけど、あそこに正確に落として丁寧に探りたい、だから力み過ぎずに飛距離を得たい」みたいな場面では、結構CT良いと思います(とはいえ、これならアルファスSVの方が刺さる人が多そうな事も承知の上です笑)

誤解が無いように再度申し上げますが、単純な遠投のポテンシャルだけでいったら、34㎜の方が絶対に向いています。過回転領域に入ってしまえば、トラブルは増えます。

ロッドとの相性

ロッドとの相性も、非常に広い対応幅を感じられます。

短めの軽快ロッド

バスロッドのロクテン、チニングロッドの7フィートジャスト~前半のような、チニング水準で云うところのきもち短めロッドとの相性が非常によく、とにかく軽快(自重的な意味でも、キャストのレスポンス的な意味でも、ロッドワークの面でも…)です。

硬いロッドとの相性もGOOD

硬めのロッドにやや強い糸を巻く…んだけど、軽いルアーをしっかり扱いたいような小場所、特にカキがびっしりついていたり、岸辺に厳つい植物が繁茂していたり…といった場面では、まさにCTの真骨頂です。

長くて硬い遠投仕様のロッドだけは…

こればかりは、ちょっとメリットが一個も活きない気がします(使い方次第だけどね)。

あまり語られていない最大のメリット

個人的に一番良い所が、浅溝スプール(700Sスプール)の供給の安定性です。

よほど軽い物を投げなければ、ぶっちゃけチニングのサイズ感のワームであればこれで事足りてしまう、というのが私の結論です(アジング・メバリングサイズのワームになってくるときついですけどね…)

供給が安定しており、中古市場の弾数も多いです。

KTF開発協力のブランキングスプールは、ダイワから純正スプールを取り寄せるにしても、KTFの抽選に申し込むにしても、とにかく入手性が悪く、供給も不安定。私はここにウンザリしてしまったので、あまりAIR機の手持ちがありません。

そもそも抽選ってなんやねん。

巻き取りは遅い

小口径ゆえに、34㎜機種と比べると、同じギア比でも巻き取りが遅くなっています。こればかりはどうしようもないですね…

ちなみに私のアドミラCTは旧アルファスAIRの8.6ギアを入れています。ハイパードライブ機種は8.5が上限(最近スティーズ SV LIGHTに塗り替えられてしまいましたけどね)なのですが、旧アルファスAIRは0.1だけ速いので、その差を重く見てぶち込んでます。

超オタクな部分も話すと…


CTのインダクトローター(オレンジの部分↑)の厚みは0.75㎜です。旧AIR規格(例えば20アルファスAIRであれば)インダクトローターの厚みは0.5㎜です。厚いほど、キャスト後半のじんわりブレーキを強く感じます。CTは一応SVのカテゴリなので、よりトラブルレスな方向性ということでこの厚みになってるかと思います。

見えチヌ狙いだと、一瞬のライン浮きとその対応が命取りだったりすることも。そこで「SV(ストレスフリーバーサタイル)らしさ」を発揮して、ホンモノのストレスフリーを感じることが出来ます。

ここも大好き。

おわり

とにかくCTが好き、という話でしたが、世間での評価はとりわけ高くはない印象。もっと評価されてほしい規格です。

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